文書作成日:2025/11/13
医療法人の経営状況、2023年度と2024年度を比較
今回は、厚生労働省が提示した資料より、2023年度と2024年度の医療法人の経営状況に注目したいと思います。
新型コロナ関連の補助金や特例が2023年度に終了し、2024年度には診療報酬改定が行われました。また、価格高騰や人手不足が経営を圧迫する状況も続いています。
同資料は、医療法人経営情報データベースシステム(MCDB)における施設別の経営状況を集計したもので、2025年8月末収集時点の速報値です。
まず、両年度における病院・診療所の医業収支の赤字・黒字割合を示したのが、下図になります。上段が2023年度、下段が2024年度です。

[出典]厚生労働省「社会保障審議会医療部会資料」
無床診療所では、医業収支が赤字となった施設の割合は、2023年度が32.1%に対し、2024年度は40.8%に上昇しました。
左端の病院はさらに深刻で、2024年度は約6割が赤字となっています。
次に、経常収支に注目します。

[出典]厚生労働省「社会保障審議会医療部会資料」
無床診療所では、赤字割合は2023年度が25.4%、2024年度は34.4%に上昇しました。黒字割合優勢とはいえ、厳しい状況であることがうかがえます。
2026年度は診療報酬改定の年です。このような現況がどのように制度に反映されるのか、引き続き注目していきたいと思います。
[参考]
厚生労働省「第120回社会保障審議会医療部会」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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